月: 2023年12月

  • ラノベを読んだ【2023年12月25日】

    ラノベを読んだ【2023年12月25日】

    もうクリスマスだ。

    急激に寒くなって全てが億劫になってしまった。

    ラノベは字が小さい、と久しぶりにラノベを読んで発見した。

    レーベルによって違ったりするのかもしれないが、普通の小説の単行本なんかと比べても若干小さいような気がする。(ちゃんと比べてない)

    老眼のおじさんが読むような想定がされていないことに、しっかり読者層が見定められていていることがわかる。

    小説でも椅子や机でも誰でも使いやすいものは誰にとっても使いにくいとイコールだろう。

    使う人、見る人をどう想定するかは物にとっても娯楽にとっても大事だ。

    言葉にしても相手によって伝わったり伝わらなかったりする。

    若者が読んで心地よく読めるサイズの字で構成されているということは正しく若者に向けられた小説なのであるということを表現していて、意識せずとも読者にそれと伝わりそうだ。

    とか、ここまで書いて文庫の小説と文字の大きさを見比べてみたらあんまり変わらない。インクが少し明るいような気がするぐらいで、ありゃ。明るいから読みづらかったのか。

    それにしても使い手、読み手、観客を想定せずに何かを作ることは無い。

    私の信条としては、なるべく絞って絞ってコアのお客さんを決めてそこから広げていくこと考える。

    まず絞ることが肝要だと思うのだが、世間の人たちはどうしているのだろうか。

    洗い物をしている時、シンクの高さについて考える。

    男が使う時は少し前屈みになることが多いので長時間使っていると腰が痛くなる。

    これはシンクの高さが女性の身長に合わせて調整されているからだ。油圧で高さが簡単に変えられるようなシンクがあれば売れるんじゃないだろうか。(もうあるのかも?)

    駅の自動改札は右利きの人間を想定している。

    使い手を想定しなければ誰にとっても中途半端で使いにくい物になるし、きちんと想定して仕舞えばそれ以外への人間への対処もはっきりわかる。(対処できないこともハッキリする)

    もちろん対象の人について知る必要はある。

    どのくらい他人について知ることができるのか、というのは難しいけれど。

  • なんだかバタバタ【2023年12月18日】

    なんだかバタバタ【2023年12月18日】

    仕事が忙しいというわけではないのだが、歯医者へ行ったり所用で落ち着かず。

    JAniCAからアニメーション制作者実態調査2023が出た。色々あってずいぶん時間がかかったが。

    これを見て驚く人は驚いただろう。アニメーターの収入がずいぶん上がっているので。

    社員アニメーターが調査にずいぶん参加してくれたようなので、それによって引き上げられているとは思う。それにしても随分上がった。

    しかし動画は相変わらずなので若い人や仕上げなどの部署の収入の低さは相変わらずだと思う。

    若い人が居着いてくれないことにはスタッフは減る一方なので底上げまだまだ底上げしないと…。

    90年代半ば辺り、攻殻機動隊など作ったIGの新人動画の研修期間中の固定給は8万円だった。

    東京で8万円で暮らせるわけないじゃん…。

    他の会社も動画に10万以上固定で出すような会社はほとんどなかったと思う。

    私がスタジオジュニオに制作兼演出助手で入った時の給料が12万くらいだったように思う。

    貯金やら親の脛を齧りながらギリギリ暮らしていた。

    バブルがポシャっていたとはいえ他の仕事に比べたらとてつもなく安かった。

    会社に入る前にやっていた映像業界関係のバイトの方が全然収入があった。

    と、昔を思い出すと憂鬱にしかならなく今自分がそれなりに余裕を持って生活できてるのが不思議でしょうがない。

    安い代わりに出入り自由の緩さはあって変な人も沢山いた。私が入った頃はそれでも随分普通になっていたとは思うが。

    なんにせよ食えない仕事は仕事ではない。

    昔の工場労働者のように搾取されまくってるとまでは言わないが、皆んなが食うに困らないようになるといいね、と思う。

    文化庁がクリエーター支援の予算を60億確保したということらしいが、うまく使って欲しいもんだ。

    週末は1年ぶりに声優向けのワークショップで座学の講師。

    去年やったのとほぼ内容は同じだが、少し整理したので多少は分かりやすく時間内に収まったかな。

    演出家とはどういう仕事なのか…というざっくりした内容なのだが何かしら刺激になっていると良いのだが。

    若い頃は自分も演出の仕事が全くわかっていなかった。

    経験的に学んだことを本を読んだりしてある程度理屈にして自分は使っているけれど、若い子たちがどのように学んでいるのか全くわからない。多分ほとんど経験的に学んだことを直感で使っているだけというようには思う。

    感覚だけでやっていると大体どこかで行き詰まってしまう。

    分かりやすく理論とか実践的なことを教えられるといいなとは思っているのだけれど、自分の知識だと若い子が当たれる理論書とかの知識が決定的に欠けているので色々読んでみようと思いつつ全然時間が取れない。

    歳も食って若い子に教えるにしてももうあまり時間がないのでやらなきゃなぁ。

    ちょっとした知識とかコツを学ぶだけでも食っていくのがだいぶ楽になるし、良いものも作れるようになる。と思うのだよね。

  • かるく勉強【2023年12月11日】

    かるく勉強【2023年12月11日】

    LGBTQの入門的な本を幾つか買って読んでいる。

    「医療者のためのLGBTQ講座」編:吉田絵理子

    「LGBTってなんだろう」藥師実芳・他

    「LGBTヒストリーブック 絶対に諦めなかった人々の100年の闘い」ジェローム・ポーレン

    「クィア・アクティビズム」新ヶ江章友

    「クィア・アクティビズム」はまだ読みかけ。

    どれも良い本だった。

    「医療者の…」は一般の人にもわかりやすく書いてあるので、基本的な医療目線の知識が分かる。

    二つ目の「LGBTってなんだろう」も大体同じような内容だが親などが読むような想定で

    書かれたもの。

    ヒストリーブックは子供用に書かれたものらしく、短いエピソードが年代別に並んだ作り、平易にしてある分エピソード同士の関係性が少し分かりにくいかもしれないがアメリカの運動の面白いエピソードが満載で良い。1900年代前半から2014年辺りまでをフォローしている。

    「クィア・アクティビズム」は割と出たばかりの本、大学の教科書用として書かれている。フェミニズム運動から説明されていて性表現規制などにも触れられていてかなり面白い。まだ読み終わっていないが歴史をざっくり追うならこれはとても良い。

    歴史を紐解くととにかく大変ということだけは良くわかる。たくさんの人間が命を賭して戦っている。アメリカで女性の参政権が認められてから、まだ100年くらいと思えば日本の状況をみてもまあなるほど思わなくもない。

    プリキュアもLGBTQの問題を扱うご時世なので、大雑把にでも知識があった方が良い。

    LGBTQはの問題は色々なことと繋がっているということだけはわかった。

  • 月曜になってしまった【2023年12月04日】

    月曜になってしまった【2023年12月04日】

    ついに12月。

    随分あったかいので、あまり実感がわかなかったけれど打ち合わせなども減り、仕事がおさまっていくので年末感を

    感じてきた。

    コロナの後は忘年会も減りのんびりと過ぎていく年末になりそうだ。

    しばらく一人での作業ばかりになりそうなので気が抜けてる。

    TAAFで毎年やっている業界人が推薦するアニメスタッフに渡す賞の候補者選びのために今年の発表になった作品御タイトルを眺め、その多さに驚く。

    余裕で300タイトルはあろう。

    テレビシリーズも12本のものがほとんどなのでタイトル数が増えるのも当然とは思うが、それにしても良くこれだけの数作れているものである。

    自分お経験的にも噂話を聞いていても、どのスタジオもスッタフ集めにはかなり苦労している様ではある。

    ここ最近はやはり漫画原作が元気で私の仕事も原作ものばかり。

    あやかりたいものである。

    これだけ本数があると見るにしてもどういう基準で選んでいるのだろうか。

    原作ものであれば知っている人はまあ、お試しにでも見るのだろうけど、そうでないなら選択の理由はなかなか見えずらい。好きな声優さんが出ているというのは大きな理由のひとつになっているか。

    スッタフで見る作品を選ぶということは、最近はほとんどなくなっているとは思う。

    テレビ放映で同じ枠だから見るとか、消極的理由で見ることも多いのだろうか。

    自分の作品を見てくれる人がいるというのは、まあ奇跡みたいなものだな。

    最近は海外での配信・放映も大きなシェアを占めているので海外の人の反応となると本当になかなか感じる事が難しい。

    しかしお客さんお顔が浮かばないままに作るというのは、広い海に漠然と釣り糸を垂れる様なもんだ。

    見る人がいないものを作っても虚しいので、食べる人を想像しながら料理を作る様に作品作りも見る人の顔が見えた方が良いと思う。