植物日記・エンディングの仕事・例の…【2025年04月12日】

咲かないのかと思っていたオステオスペルマムが咲きそう。
温度の問題だったのか?

スーパーアリッサムも秋に植えて株ばかり大きくなって全然咲かずだったのがポツポツ咲き始めた。

ビオラは3種植えてあるが種類によって生育が全然違って今ひとつバランスが悪い。
アンティークビオラという一番おとなしそうな名前のビオラが盛大に横に広がって見元園芸のものは縦に、もう一つは花は結構上がっているが全然大きくならない。

地上部がほとんど枯れて大丈夫か?と思っていたアガパンサスのブラックマジックも新芽が上がってほっとした。
根は緑で生きているとは思ったけど地上部が全く枯れると無事なのか判りずらい。

ポットのまま置いてある苗がバンバン水切れし始めて非常にまずいがまた雨が降ったりするので来週中くらいまで植え替えは難しいかも。

ロックは淑女の嗜みでして、のエンディングは急な仕事だったこともあり絵コンテのみの参加。当作の演奏シーンのアドバイザーなどしているソエジマヤスフミさんが演出をしてくれた。
色味やら、背景のイメージやらはソエジマさんのアイデア。
ソエジマさんとは別の仕事でご一緒する可能性があったのだが、そちらはポシャったので世の中に出るものができて良かった。

フジテレビの報告書をパラパラパラと読む。
分厚すぎるので、なるべく要所を拾う。
見えるはずの断崖が何かで埋まっていて渡れる状態になっているのか、断崖を見えなくしている何かがある。
断崖に限らず有るべきものは有ったほうが良い。実在しないとしても。
有る必要のないものが有るということも沢山あるが。
信頼のおける虚構とは…。

仕事正月【2025年01月06日】

久しぶりな気がするくらい仕事が切羽詰まっていて正月もゆるゆると仕事をしていた。
この稼業を始めてからは正月早くから働いていることは珍しくなかったけど、最近はそこまで切羽詰まった状態で年を越すことはあまりなかった。
立場が変わったからという理由や働き方改革とやらの恩恵もあってだろう。
しかし今年はハプニングもあり仕事の進行が遅れていて、後が厳しいことが見え見えなので集中力はやはり欠けるけれど、ずっと仕事をしている。
仕事初めも何もあったものでは無い。

とはいえ、年末はアイカツ!のイベントが幾つかあったりしたせいか年を越した感は味わえた気がする。
「外れスキル木の実マスター」が明日からオンエアだが去年の後半はその仕上げもあったりでいつになくバタバタしていた。
今年も今年も似たような仕事の進行で過ぎて行きそうだけれど、去年より少しやることが多いのでヒヤヒヤしている。
とにかく体調を崩さないように気をつけないといけない。
最近はなかなか体調を維持するのが難しい。歳なのでしかたないのだろうが、ストレスの影響を受けやすくなっているのがなんとも。
大風邪とか引くことはあまりない。コロナも未だに罹っていないので、それは良いことである。

年末の園芸店のセールで買い物は出来た。欲しかったアガパンサスは買えたが、寒さにあまり強く無いのをわかっておらず地植えしたオキザリスがもう枯れそうで悲しい。いい色のカラーリーフだったのだが。オキザリスはカタバミの仲間なのだが、カタバミは普通に冬も生えているし原種は強いんだな。

仕事をしていたので殆ど本は読めていない。
読みたいものはあるが、なかなか追いつかない。
今年は忙しくてあまり外にで開けることもままならないかもしれない。

絵コンテ学習用の資料だけは何とか早めに作りたい。
作ったところでどこでどうやって教えるかというアテもないのだが。

去年の元旦は能登の震災があったりで、幸先の悪い正月だったが今年はそういう意味では何も無かったのが何よりだ。お隣の韓国では飛行機事故があったが、まったく気の毒だ。

プリキュアの次回作が色々発表になって話題になっているようだ。
多少、事前に知ってはいたのだが、まあそりゃあ話題になるだろうと思っていた。
加藤陽一がシリーズ構成でアイドルものなのだから、実質アイカツ!と言われてもそうかもね思う。
私はプリキュア的には今千秋が監督である方が重要な気はする。
プリキュアシリーズは基本的に投影の生え抜きの監督を採用してきたので外様で女性の監督は非常に意欲的。
今さんはセーラームーンを担当していたので使いやすいという理由もあるのだろう。
キャストに高橋未奈美が入ってますますアイカツ!界隈とプリキュアとの融合が進んでいて個人的には面白い。スタッフ側にも元アイカツ!チームはいるので。
加藤くん含め皆んな人気者なので何の違和感もないだろうが。
年月が経つとライバル関係だったチームも関係が変わってきて、おおそんなことが、ということが起こる。
加藤くんの起用もその一つ。もう少し早く起用されるかと思っていた。
私のところへ監督のお鉢が回ってくる事は永遠にないだろうが。

パソコンが新しくなって普段使っているソフトの中で3Dのモデルを動かしてもあまり重くなく扱えそうなので、コンテの描き方も少し新しいことに挑戦できるかもしれない。
モデルを作るところから始めるのはハードルが高いのだが…。

はて、あまり欲張りすぎず出来ることから実現していきましょう。

外れスキル<木の実マスター>【2024年10月26日】

1月から放送の「外れスキル木の実マスター」は「おとなりに銀河」の流れで大体同じようなチームで制作。
ファンタジーは各話の演出でも、ほとんど担当した記憶がない。外れスキルものが沢山あることも知らなかった。
お話は私世代なんかは懐かしくなるような王道の冒険ファンタジーで、とっつきやすく楽しく作れた。

原作チームも鷹揚でありがたかった。

制作の旭プロダクションは宮城の白石にスタジオがあって、そこのチームがとても優秀だ。

「魔法少女にあこがれて」の監督も務めた鈴木理人くん、演出の森あおいさん、おとなりに銀河のキャラクターデザイン大滝那佳さん、は白石のチーム出身で皆んな優秀。他の作画チームも優秀でびっくりする。

今回も参加してもらって、感心するばかりだった。これからどんどん活躍するに違いない。

メインキャラはアイカツ!でもう長い付き合いの宮谷里沙。忙しいところを無理に頼んで引き受けてもらった。

アニメ制作本数はスタッフの数に比べるとかなり多いので、どこのスタジオも苦労が多い昨今だが、若い優秀な人たちの仕事を間近で見る機会は楽しい。

若くなければ出来ない仕事はある。アニメ作りは意外と体力勝負なので、なるべく若いうちに良い仕事をする機会に恵まれると良いなと思う。

仕事の愚痴を書こうと思っていたけど、やめた。

2028年あたりの仕事まで決まっているとかいう話も聞くが、隔世の感がある。

果たしてこの先どんな作品がつくられるのだろうか。

暴力とアディクション【2024年10月21日】

最近読んだ本、信田さよ子「暴力とアディクション」
現代思想に書かれた短編の文章をまとめた本。大変面白い。

タイトル通り暴力とアディクション(中毒)が如何に関係しているかというテーマが主に取り上げられているが、そこには深く家族が関わっている。

信田のキャリアはアディクションから出発しているので、どちらかというとアディクションが先にあってそこに暴力がどう関わっているのか、という構図。

この本だけで沢山、物語のネタが出来そうな内容である。

アディクションの代表的なものとしてアルコールがある。
アル中への対処がアメリカで進んだのは、ベトナムからの帰還兵が沢山アル中になり、家庭の中で暴力を振るい、それが問題になったかららしい。
中毒は様々な社会問題と通底している、という具体例が様々示されている。

アルコール中毒に限らず、全ての中毒・依存症は自己治療的である、ということが随所で語られているのだが、これは普通の人間でも多かれ少なかれ思い当たることがあるだろう。

趣味でも仕事でも、のめり込んでいるもの・行為は自己治療的な側面がある。
それがなければ生存が危ういかどうかが依存症かそうで無いかの分水嶺だ。

中毒・依存症は本人にとっては治療的なので止めたくないが、周りが迷惑しているので止めさせたい、という構図が依存症治療の難しさらしい。
そりゃ大変だろう。

貧困、ジェンダー、家族、戦争、ありとあらゆるものが暴力・アディクションと関係していて、これは表立って取り上げるかどうかはともかくとしても、物語を作るとき考えるべき事象だという気はする。

仕事をしながら流し見していたNETFLIXのガンダム(CGのやつ)が面白かった。
ちゃんと戦争ドラマをやろうとしていて好感がもてる。

実際の戦争はもっとえげつないけれど、ライトにでも戦争について考える様な作品を作ろうとする姿勢はファーストガンダムと通じるものがあって好きだ。

一貫してガンダムを恐ろしいものとして描いているのだが、こういう描き方を許容できるのか、というのも少し驚いたし良いことだと思った。

引っ張っていたコンテを終わらせたが、わんこそばの様に次は控えている。
まあまあ出来は気に入っている。
作画がどれくらい頑張れるかはわからんけれど。

細々した仕事を今週は片付けなければいけない。
10月は、あと10日ある。

将棋の竜王戦も3局目が終わってしまった。
佐々木勇気が1勝あげて面白くなってきた。
毎年、竜王戦が始まるともう今年も終わりだなと思う。

来年は試練の年(別に辛いことをやるわけでは無いが)で慣れない仕事をやらねばならぬ。
なので、なるべく終わらせられることは全て今年のうちに終わらせてしまいたい。

しかし、先の仕事はさっぱり決まっておらず…まあこうやって何十年か生きてきたのだから何とかなるだろう、とこういう文章を書いているのも自己治療なんだろう。

そういえば、久しぶりに自分の仕事の告知が出たのを忘れていた。
ファンタジーをやるのは初めてだが、昔の少年漫画のようなノリの原作だし、気分的には楽しかった。
現場色々あって予想以上に大変ではあったのだが、今どき大変で無い現場ほとんどなかろう。

今アニメの制作スケジュールはとても伸びていて、12、3本のシリーズを作るのに丸々1年くらいかかるのは普通になってきている。
なので告知も全然できない。
次はいつになるのやら……。

もののがたり最終回【2023年09月19日】

納品は随分前に済んでいたのだけれど、本日もののがたりの最終話が放映された。

見ていただいた方には感謝。

原作は完結しているので、あの後の物語は是非原作で読んでください。

面白い原作だったから引き受けたので、アニメが面白かったのであれば原作はまず楽しめる筈。

同時期に受けた原作ものの仕事のテーマに両方「家族」が関わっていたのは偶然だけれど面白かった。

全ての物語は「家族」について書かれているという様なことを言う人もいるけれど、なるほど分からんではない。

毎回、色々な人にお世話になりつつ作っているけれども「もののがたり」はアイカツチームが主力。

音楽方面も見知った顔が沢山。感謝。

ここ2、3週間は緊急のコンテのお手伝い。

テレビシリーズをやっていると、どうしたってアクシデントは付き物で助け合いは良くあること。

おだやかに終わる仕事はなかなかないもので…。

もののがたり第2章

今日は令和5年7月03日、今日の深夜から「もののがたり」の第二章がスタート。

作り終えてからは少し時間が経ったので、やっとという思い。

後半戦は戦闘のシーンが多かったのでスタッフたちは大変だったかと思う。感謝しかない。

二章から登場の爪弾は土井美加さんが演じてくれている。

土井さんの演技は素晴らしく迫力があり、聞いていて楽しかった。

参加してくれていた同世代の演出家は土井さんのファンだったらしくテンション上がっていて面白かったのだが、それもそのはず、我々世代であれば超時空要塞マクロスの早瀬美沙というキャラクターでお馴染みだからだ。

私も当然、心の中ではわくわく。表には出さなかったけど。

他の役者さんたちの芝居も当然素晴らしく音響作業はいつも楽しかった。

お客さんにも楽んでもらえることを願う。

最近は作り終えてから放映という作品も増えたのだが、知り合いの監督が作り終わったら早く見せたい、と言っていてその気分は分かる。

作るのには放映期間の何倍かの時間がかかっているので放映を見ていると、あっという間だなぁと感じてしまうのはアニメ制作者共通の感慨だろう。

花火のように一瞬で消えてしまうのが昔のテレビアニメの醍醐味だったのだが、いつの間にかビデオなどで何度も再生されるようになり、最近は配信などでさらに再生の機会は増えている。

苦労して作った作品の見られる機会が増えることはありがたい。

とはいえ、配信も常にやっているというわけでもないので見られる時に見ていただきたい。

4月の近況

4月1日は「おとなりに銀河」の1、2話先行試写会があり、覗きに行った。

一般の方向けの試写だったので当然お客さんの反応が見たくて行ったのだが席は最前列だったので、あんまり分からず。しかし上映後は拍手をいただいたので、まあ概ね好評価であったと解釈させていただきました。

私の隣には原作者の雨隠ギドさんと旭プロダクションの河内山P。ギドさんとは最終話のアフレコ以来の再会かと思う。

もののがたり、おとなりに銀河と原作ものを監督として担当するのは初めてだったが、快適に仕事をさせてもらった。おとなりに銀河は実写ドラマも同時期の放映となり、比べて見ていると技法の違いや尺のフォーマットの違いで原作のアレンジの仕方が違っているのがとても面白い。

アイカツプラネット!で実写の現場を見せてもらったので違いが分かりやすく感じられて楽しい。

偶然だけれど実写の方にアイカツプラネットでディレクターとして入ってくれていた國領くんが参加していて、そこも楽しみなのです。

まさか同じ原作で仕事しているとはね…とお互いびっくり。

あちらは15分枠で帯なのでアニメの方がゆっくり展開することになる。

最近読んだ本

「会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか」ニック・エンフィールド

これは思っていたより面白かった。

会話は言語だけで成立しているのでは無いうような研究を一般向けに解説したもの。言語学だとあまり大きく扱われてこなかったような分野の研究が最近進んできたらしい。我々は虚構の会話をたくさん作るのだが虚構をそれらしく聞こえるようにするという技術は経験的な感覚に頼ることが多い。

こういう研究を読むと自分達の感覚は、ある程度間違ってなかったという確信が得られるし、創作にある程度客観的な根拠を持って迷わず作れる。

基本的には英語の会話ついての研究が軸なのだが、会話は言語関係ない構造があるという辺りが面白い。

とはいえ、まだまだ研究は始まったばかりという雰囲気なのでこれからに期待したいのと、参考文献をもう少し読んでみたいという気になった。

「語り芸パースペクティブ」玉川奈々福 編著

これはしばらく前に出た本なのだけれど、とても面白かった。

日本には様々な語り芸が有るのだけれど、その分野の重鎮たちを呼んで実演とその芸について語ってもらった講演記録。

講談だ落語だ文楽だ歌舞伎だと私もほとんどまともに見ていないのだが、自分のやっていることも語り芸の一種と言える気がするし日本の伝統の影響は無意識の中に必ずあると思う。

自分のやっていることのルーツを探りたいというような事で伝統芸能、特に語り芸には今大変興味がある。

この本は芸能のつながりの一端を垣間見せてくれてとても良い。

今更だが古典を勉強してみようと思わされる一冊だった。