仕事が忙しいというわけではないのだが、歯医者へ行ったり所用で落ち着かず。
JAniCAからアニメーション制作者実態調査2023が出た。色々あってずいぶん時間がかかったが。
これを見て驚く人は驚いただろう。アニメーターの収入がずいぶん上がっているので。
社員アニメーターが調査にずいぶん参加してくれたようなので、それによって引き上げられているとは思う。それにしても随分上がった。
しかし動画は相変わらずなので若い人や仕上げなどの部署の収入の低さは相変わらずだと思う。
若い人が居着いてくれないことにはスタッフは減る一方なので底上げまだまだ底上げしないと…。
90年代半ば辺り、攻殻機動隊など作ったIGの新人動画の研修期間中の固定給は8万円だった。
東京で8万円で暮らせるわけないじゃん…。
他の会社も動画に10万以上固定で出すような会社はほとんどなかったと思う。
私がスタジオジュニオに制作兼演出助手で入った時の給料が12万くらいだったように思う。
貯金やら親の脛を齧りながらギリギリ暮らしていた。
バブルがポシャっていたとはいえ他の仕事に比べたらとてつもなく安かった。
会社に入る前にやっていた映像業界関係のバイトの方が全然収入があった。
と、昔を思い出すと憂鬱にしかならなく今自分がそれなりに余裕を持って生活できてるのが不思議でしょうがない。
安い代わりに出入り自由の緩さはあって変な人も沢山いた。私が入った頃はそれでも随分普通になっていたとは思うが。
なんにせよ食えない仕事は仕事ではない。
昔の工場労働者のように搾取されまくってるとまでは言わないが、皆んなが食うに困らないようになるといいね、と思う。
文化庁がクリエーター支援の予算を60億確保したということらしいが、うまく使って欲しいもんだ。
週末は1年ぶりに声優向けのワークショップで座学の講師。
去年やったのとほぼ内容は同じだが、少し整理したので多少は分かりやすく時間内に収まったかな。
演出家とはどういう仕事なのか…というざっくりした内容なのだが何かしら刺激になっていると良いのだが。
若い頃は自分も演出の仕事が全くわかっていなかった。
経験的に学んだことを本を読んだりしてある程度理屈にして自分は使っているけれど、若い子たちがどのように学んでいるのか全くわからない。多分ほとんど経験的に学んだことを直感で使っているだけというようには思う。
感覚だけでやっていると大体どこかで行き詰まってしまう。
分かりやすく理論とか実践的なことを教えられるといいなとは思っているのだけれど、自分の知識だと若い子が当たれる理論書とかの知識が決定的に欠けているので色々読んでみようと思いつつ全然時間が取れない。
歳も食って若い子に教えるにしてももうあまり時間がないのでやらなきゃなぁ。
ちょっとした知識とかコツを学ぶだけでも食っていくのがだいぶ楽になるし、良いものも作れるようになる。と思うのだよね。