SNSは原作とその映像化についての騒動で持ちきりで、私も言いたいことがないではないが基本的に今回のことに限らず原作と映像化についての揉め事はマネジメントや企画側の問題だ。基本的には商売の問題であって芸術的な問題ではない、と概ねの業界人は考えているだろうと思う。私も人の経験談や自分の経験を踏まえてもそう思う。
とはいえ、商売と芸術を厳密分けて考えることは難しいのだけれど。
個別の事情も分からなすぎるが誰かの自死という結末はあまりにも悲しいので何らかの大きな改善が必要だろう。
さて、トップガンを映画館で見たのでメモ。
公開当時は映画館で見た記憶がないので初めてスクリーンで見たのかもしれない。
何度か見ているのに、やはり映画館で見ると発見がある。
こんなシーンあったけ?とか、いい加減に見ていただけかもしれないけど。
トム・クルーズのほっぺたが、ぽちゃぽちゃ。86年公開だから撮影当時は22、3歳だろうか。
ヒロインの女教官シャーロット・”チャーリー”・ブラックウッド役のケリー・マクギリスとは実年齢4歳差。映画だともう少し差がある様にも見えて、それらしい配役。
映像はリマスターのおかげか概ね綺麗に感じた。
色味はコクピットの内部など特撮が絡んでいる様な部分は少し気になるくらい。
若い人の目にどう映るか分からないけど、青春物語としてよく出来た脚本になっているのが印象的だった。
まず前半は少し無鉄砲な若造がチャンスを掴んで調子に乗っていく、後半は大きな挫折を交えながら前半の展開を反転させた様なイメージ。
最初はマーヴェリックに追いかけられるチャーリーが車で追いかけてマーヴェリックを捕まえるシーンは秀逸。
恋愛、父の死の謎、友人を亡くしての挫折、そして再起、そう長くはない映画で、起きた出来事、謎の決着はほとんど着けていて娯楽作品としては素晴らしい作り。
友人を亡くしたところで、ライバルのアイスが短い悔やみをマーヴェリックに言うなど細かな気配りで、あまり嫌な印象のキャラクターが残らないようにしている。
時代の気分を色濃く切り取っていてヒット映画というものはそういうものなのだなとも思う。
歌物以外の劇伴も良いのだけれど、どうも売ってないみたいで残念。