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最近の読書【09月01日】

辻田真佐憲「戦前の正体」「文部省の研究」

島薗進「教養としての神道」

石田美紀/キム・ジュニアン編著「グローバル・アニメ論」

明治維新で新しく作られた伝統みたいなものを全然わかっていない、ということがよく解った。

明治維新から150年くらいしか経っていないと思うと、変わらない日本人の心性みたいなものもそりゃあるよね。

「教養としての神道」は神道の細かなディティールが少し読みづらいけど、土着の宗教としての神道がどのように生き残ってきたのかというのはとても面白い。

明治維新以前は神仏習合であったことなど全く知らず…。

無教養である。

宗教関係の本も色々読んでみたいものの、沼が深いので少しづつかな。

仏像にも興味が湧き石井亜矢子「仏像解体新書」を買ってみた。これは図版がたくさん載っていて分かりやすく仏像を解説していて面白そう。

山本聡美「九想図をよむ」(増補カラー版)も大変おもしろそうだが、こちらはかなり労作の研究書なので真面目に読むと大分骨が折れそう。九想図というのは、死体の変化を九段階にわけてイメージして自他の肉体への執着を滅却する九想観という仏教の修行に由来する画題だそうな。こちらも図版多数。

「グローバルアニメ論」は論文集。「持永只仁の家族アーカイブから読み解く協力者としての子供観客」ジェーソン・コーディ・ダグラスが非常に面白かった。他の論文もなかなか興味深い。一つ一つは短めの論文なので読みやすいかと思う。

あとは久しぶりに映画館へ。「Berbie」を鑑賞。大味だが面白いと思ったものの興行はアメリカに比べると大分奮っていない様子。そもそも日本でバービーで遊んだと言う人は少ないだろうから仕方ないかもしれない。バービーの小ネタが満載(多分)だが遊んでないとピンとこないかも。日本人にはニュアンスが伝わりづらい諧謔も沢山あるような気がする。しかし新宿の東宝では女性客がかなり入っていて啜り泣く声さえ聞こえた。冒頭の2001年宇宙の旅のパロディーは面白かったがターゲットの客へ響くのか?と言う気はした。私には分からない他の映画のパロディーもあったかもしれない。

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