もういつの記憶だか思い出せないけど、夏になると思い出すことがある。
果たして夏の出来事だったのかも定かでないが、寒かった記憶はない。
荻窪の四面道のあたりにシナジージャパンという昔所属していた会社があった頃、流星群が見られるというので誰が言い出したか忘れたが仕事の手を止めてビルの屋上に登って見物したことがあった。
そもそも本当は屋上に上がってはいけない筈だったと思うが、施錠がされていなかったのか皆で出て寝転がって見ていた様に思う。
天気が良かったのだと思うが、結構な数の流星が空に軌跡を描くのを見ることができた。
もういい加減、数も少なくなりそろそろ戻るかと腰を上げる者も出始めた頃、一瞬、空全体を明るくする様な大きな流星が過ぎていった。
空想の中でしか見られない様な流星で、後にも先にもあんなに大きな流星を見たことは、それきりない。
空想で描かれる様な風景は案外現実に起こったりするのだなと思って今でもたまに思い出す。
夏もだんだん終わりかけてきた。
夏は嫌いではなかったのだが年々強くなる日差しが年齢のせいかしんどくなってきたので短めに済んでくれてもまあ良いかという気になる。
外に出るのも億劫になってしまっている。
夏の間にやらねばならぬことは、そろそろ頑張って終わらせないと。
夏の間しかできないこと…もあまり無い、特に最近はと思うのだが。
かき氷だって一年中やってるし。
雨が降ってきた。
日差しを楽しむ時間も必要かもしれない。