もうすぐクリスマスというか、お正月。
やばい。仕事が。
先週の日曜日はアイカツ!のあかりジェネレーション10周年を記念したライブ「キラッキラ」へ。
10周年…いやぁそうですか。
アイカツ!が放映されていた期間は3年半くらいでもうその三倍の時間がたったということなんだな。3年目以降があかりジェネレーションだからそこから10年ということですか。
ライブはメインのアイドル担当の役者の皆さんが全員集まってくれるという奇跡のようなブッキング。
流石に公演時間が伸びまくって4時間というのは申し訳なかったが、楽しんではもらえたのではなかろうか。
私も皆んなの元気そうな顔を見て安心した。
荊棘の女王が久しぶりに聞けたのも満足。
久しぶりにアイカツ!絡みの仕事が沢山ある年末だった。
しかし、この調子で記念イベントやってると毎年なんかありそうで、ファンの皆さんは大変だな。
ここのところ久しぶりにアニメ映画を見た。といっても最近のものではなく見逃していたものを幾つか。
まずは窓際のトットちゃん。
これは良くできていた。
ベースは地味な話であると思うのだけれどイメージシーンなどを上手く使ってアニメらしい飛躍した表現も交えつつ娯楽としても十分楽しめるようなつくり。
アートアニメの要素を巧みに取り入れて、表現の幅が広い。
日常芝居の表現はジブリ的な流れの最先端と言えるのかもしれない。
身振り手振りは少し大きめに表現されていて、それが作品の方向性とうまく嵌っているし芝居のアイデアも豊富でかなり丁寧に手間をかけた芝居作りになっている。
一般のお客さんが見ても分かりにくいかもしれないが、ここまでやるか!というくらい大変なことを丁寧に作り込んでいて感嘆した。
演出はオーソドックスなことをしっかりやるという方向性で、これを教科書に演出を教えれば基本は網羅できるんじゃないだろうか。
映画館で見なかったことを若干後悔した。
きみの色、化け猫あんずちゃん、も見た。
たまたまだが日常芝居に対する思想の違いが分かりやすくて面白い作品たちだった。
きみの色は、リアルで地味な芝居を真正面からトライしている。トットちゃんとは真逆の芝居作り。
しかし、ここまでやれば素晴らしいと思えるくらいにやり切っていてすごく好みな芝居作りだった。
ロトスコープではないけど、リアルな方向を目指している。
ちゃんとアニメらしい派手さのある芝居も用意されている。
興行成績が振るわなかったのはシナリオ的な問題が大きいのかもしれない。
一方、化け猫あんずちゃんはロトスコープを使ってファンタジーの世界を描くという変わったアプローチ。
きみの色とは逆の思想、トットちゃんの方が近い。
ロトスコープを使うことによってファンタジーにリアリティーを与えようとしているのだろうと思うけど、山下敦弘氏が元々やりたかったという企画らしいので、山下氏の能力を活かすためのロトスコープという技法という側面が大きいのかもしれない。
アニメーションの監督として久野遥子さんが立っているが、日常芝居に関しては久野さんの良さがロトスコープによって縮減してしまっている感は否めない気がする。
あと、単純にセリフの間がロトスコープの映像をまま使っているようで会話が間延びして感じる箇所が少なくなかった。人間の役者が写っている場合は間の仕草などで間が気にならない可能性があるのだけど、アニメのキャラクターに置き換えた時に上手く間のニュアンスが伝わらないということが起こっているのかもしれない。
鬼のような現実にないキャラクターはロトスコープによって現実感が増していると思うが、逆にどこで飛躍させるかの判断の難しさを感じた。
ロトスコープの良い面、難しい面が分かりやすく出ている。
トットちゃん、きみの色、あんずちゃんと見比べるとアニメーションにおける日常芝居のリアリティーを考える上でとても面白いと思う。
この週末の土曜日は恒例になった声優のワークショップの講師。
演出家という職業は分かりにくいので、それについての講義にしている。
結局2時間くらい話してしまうのだが、それでも毎度これも言っておけば良かったなと思うことが残ってしまう。
やるたびにまとまって分かりやすくはなっているとは思うが、どうだろう。