夏目漱石の「こころ」を仕事絡みで読んだ。
恋愛のもつれで友人に自殺された男が心を釘付けされていた、という話。
心が釘付けで体が動かないというのはよくわかる。
まだ読み始めてばかりだが、伊藤亜沙の「体はゆく:できるを科学する」は心を体が超えてゆくという話。
体が超えていくというのは、歳を食って分かるようになった気がする。
意識していることしか出来なかったら新しいことは出来ない。出来るようになるというのは体がひょいと動くようになってしまうことで、それとテクノロジーの関係というのが、この本の肝らしい…まだ読み始めたばかりなので良く分かっていない。
心と体のバランスで人は進んでいく、というのはそりゃそうなのだろうけど、大体の人間はどちらかに偏っているから上手くいかない。
私は、どちらかというと頭でっかちで体が動かない派だった。
けど、歳を食って少し変わった気はする。別に運動するようになったわけではない。
絵を描くにしても体を動かして分かることが随分ある。
逆に動かしてみないと分からないことが沢山ある。
もう少し若い時に、こういうことに気づけていればね、と思うけど、そしたら違う人生だったんだろう。
今は気楽に体を動かそうと思えるので、昔よりやりたいことが増えたかもしれない。
もちろん人生はもう長くないので凄く何かが上手くなったり、することはない事は分かっているのだが年老いた体なりに楽しめることは色々あろうと思う。
夏目漱石、あまり読んでないし、とてつもなく久しぶりに読んだが、文章の読みやすさに驚きを感じた。
そして53歳になった。
2024-06-10