久しぶりな気がするくらい仕事が切羽詰まっていて正月もゆるゆると仕事をしていた。
この稼業を始めてからは正月早くから働いていることは珍しくなかったけど、最近はそこまで切羽詰まった状態で年を越すことはあまりなかった。
立場が変わったからという理由や働き方改革とやらの恩恵もあってだろう。
しかし今年はハプニングもあり仕事の進行が遅れていて、後が厳しいことが見え見えなので集中力はやはり欠けるけれど、ずっと仕事をしている。
仕事初めも何もあったものでは無い。
とはいえ、年末はアイカツ!のイベントが幾つかあったりしたせいか年を越した感は味わえた気がする。
「外れスキル木の実マスター」が明日からオンエアだが去年の後半はその仕上げもあったりでいつになくバタバタしていた。
今年も今年も似たような仕事の進行で過ぎて行きそうだけれど、去年より少しやることが多いのでヒヤヒヤしている。
とにかく体調を崩さないように気をつけないといけない。
最近はなかなか体調を維持するのが難しい。歳なのでしかたないのだろうが、ストレスの影響を受けやすくなっているのがなんとも。
大風邪とか引くことはあまりない。コロナも未だに罹っていないので、それは良いことである。
年末の園芸店のセールで買い物は出来た。欲しかったアガパンサスは買えたが、寒さにあまり強く無いのをわかっておらず地植えしたオキザリスがもう枯れそうで悲しい。いい色のカラーリーフだったのだが。オキザリスはカタバミの仲間なのだが、カタバミは普通に冬も生えているし原種は強いんだな。
仕事をしていたので殆ど本は読めていない。
読みたいものはあるが、なかなか追いつかない。
今年は忙しくてあまり外にで開けることもままならないかもしれない。
絵コンテ学習用の資料だけは何とか早めに作りたい。
作ったところでどこでどうやって教えるかというアテもないのだが。
去年の元旦は能登の震災があったりで、幸先の悪い正月だったが今年はそういう意味では何も無かったのが何よりだ。お隣の韓国では飛行機事故があったが、まったく気の毒だ。
プリキュアの次回作が色々発表になって話題になっているようだ。
多少、事前に知ってはいたのだが、まあそりゃあ話題になるだろうと思っていた。
加藤陽一がシリーズ構成でアイドルものなのだから、実質アイカツ!と言われてもそうかもね思う。
私はプリキュア的には今千秋が監督である方が重要な気はする。
プリキュアシリーズは基本的に投影の生え抜きの監督を採用してきたので外様で女性の監督は非常に意欲的。
今さんはセーラームーンを担当していたので使いやすいという理由もあるのだろう。
キャストに高橋未奈美が入ってますますアイカツ!界隈とプリキュアとの融合が進んでいて個人的には面白い。スタッフ側にも元アイカツ!チームはいるので。
加藤くん含め皆んな人気者なので何の違和感もないだろうが。
年月が経つとライバル関係だったチームも関係が変わってきて、おおそんなことが、ということが起こる。
加藤くんの起用もその一つ。もう少し早く起用されるかと思っていた。
私のところへ監督のお鉢が回ってくる事は永遠にないだろうが。
パソコンが新しくなって普段使っているソフトの中で3Dのモデルを動かしてもあまり重くなく扱えそうなので、コンテの描き方も少し新しいことに挑戦できるかもしれない。
モデルを作るところから始めるのはハードルが高いのだが…。
はて、あまり欲張りすぎず出来ることから実現していきましょう。
タグ: アイカツ
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仕事正月【2025年01月06日】
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アイカツライブ・トットちゃん【2024年12月23日】
もうすぐクリスマスというか、お正月。
やばい。仕事が。
先週の日曜日はアイカツ!のあかりジェネレーション10周年を記念したライブ「キラッキラ」へ。
10周年…いやぁそうですか。
アイカツ!が放映されていた期間は3年半くらいでもうその三倍の時間がたったということなんだな。3年目以降があかりジェネレーションだからそこから10年ということですか。
ライブはメインのアイドル担当の役者の皆さんが全員集まってくれるという奇跡のようなブッキング。
流石に公演時間が伸びまくって4時間というのは申し訳なかったが、楽しんではもらえたのではなかろうか。
私も皆んなの元気そうな顔を見て安心した。
荊棘の女王が久しぶりに聞けたのも満足。
久しぶりにアイカツ!絡みの仕事が沢山ある年末だった。しかし、この調子で記念イベントやってると毎年なんかありそうで、ファンの皆さんは大変だな。
ここのところ久しぶりにアニメ映画を見た。といっても最近のものではなく見逃していたものを幾つか。
まずは窓際のトットちゃん。
これは良くできていた。
ベースは地味な話であると思うのだけれどイメージシーンなどを上手く使ってアニメらしい飛躍した表現も交えつつ娯楽としても十分楽しめるようなつくり。
アートアニメの要素を巧みに取り入れて、表現の幅が広い。
日常芝居の表現はジブリ的な流れの最先端と言えるのかもしれない。
身振り手振りは少し大きめに表現されていて、それが作品の方向性とうまく嵌っているし芝居のアイデアも豊富でかなり丁寧に手間をかけた芝居作りになっている。
一般のお客さんが見ても分かりにくいかもしれないが、ここまでやるか!というくらい大変なことを丁寧に作り込んでいて感嘆した。
演出はオーソドックスなことをしっかりやるという方向性で、これを教科書に演出を教えれば基本は網羅できるんじゃないだろうか。
映画館で見なかったことを若干後悔した。
きみの色、化け猫あんずちゃん、も見た。
たまたまだが日常芝居に対する思想の違いが分かりやすくて面白い作品たちだった。
きみの色は、リアルで地味な芝居を真正面からトライしている。トットちゃんとは真逆の芝居作り。
しかし、ここまでやれば素晴らしいと思えるくらいにやり切っていてすごく好みな芝居作りだった。
ロトスコープではないけど、リアルな方向を目指している。
ちゃんとアニメらしい派手さのある芝居も用意されている。
興行成績が振るわなかったのはシナリオ的な問題が大きいのかもしれない。
一方、化け猫あんずちゃんはロトスコープを使ってファンタジーの世界を描くという変わったアプローチ。
きみの色とは逆の思想、トットちゃんの方が近い。
ロトスコープを使うことによってファンタジーにリアリティーを与えようとしているのだろうと思うけど、山下敦弘氏が元々やりたかったという企画らしいので、山下氏の能力を活かすためのロトスコープという技法という側面が大きいのかもしれない。
アニメーションの監督として久野遥子さんが立っているが、日常芝居に関しては久野さんの良さがロトスコープによって縮減してしまっている感は否めない気がする。
あと、単純にセリフの間がロトスコープの映像をまま使っているようで会話が間延びして感じる箇所が少なくなかった。人間の役者が写っている場合は間の仕草などで間が気にならない可能性があるのだけど、アニメのキャラクターに置き換えた時に上手く間のニュアンスが伝わらないということが起こっているのかもしれない。
鬼のような現実にないキャラクターはロトスコープによって現実感が増していると思うが、逆にどこで飛躍させるかの判断の難しさを感じた。
ロトスコープの良い面、難しい面が分かりやすく出ている。
トットちゃん、きみの色、あんずちゃんと見比べるとアニメーションにおける日常芝居のリアリティーを考える上でとても面白いと思う。
この週末の土曜日は恒例になった声優のワークショップの講師。
演出家という職業は分かりにくいので、それについての講義にしている。
結局2時間くらい話してしまうのだが、それでも毎度これも言っておけば良かったなと思うことが残ってしまう。
やるたびにまとまって分かりやすくはなっているとは思うが、どうだろう。 -
オールナイト上映【2024年12月14日】
昨日の夜はアイカツ!をオールナイトで見ようというイベントでのトークショー。
テレビ数話と映画2本という内容。
どうも知り合いの親子まで参戦していただいていたようで、恐縮だ。
トークはバンダイの原田さん中村さんが参加してくれたため、あまり話したことが無いような話もできたと思う。
とくに中村幸恵さんは企画の対上げから関わっていて中村さんともうお一方でタイトルを決めたということらしい。
ナムコに入社してバンダイ・ナムコへという流れの人でアイドル活動など初期の曲を作成したMONACAも元々ナムコの音楽チームで旧知の間柄。
脚本・加藤さんも比較的初期から参加していて私はアニメの企画が持ち上がってからなので結構参加は遅いのである。
楽屋では当時の思い出話に花が咲いたといいつつ、皆んな結構色んなことを忘れていて記憶をすり合わせていたという感じ。
オールナイトは流石にしんどいので今朝は、朝イチの回で劇場版を見た。
映画館のある建物に向かう高校生二人組がいて、あきらかに映画館に向かっている様子。
いやあ、アイカツ!を見にきてくれたのかと感慨深く後ろから眺めていた。しかし彼女たちはアイカツの部屋には入っていかず苦笑。だが、アイカツの劇場の中も私以外にオジサンが一人いた他は高校生くらいの女の子だけ。
劇場版は色んな形で結構何度も見返してはいるのだけれど、色々忘れていることも多くて新鮮。
音響はやはり映画館で聴くのが良くて歓声などは結構後ろの方まで広げて作っているのが分かりやすい。
冒頭のライブの後の歓声は黒沢ともよちゃんと思しき声がすごく目立ってるのが分かる。
同じところで美月と学園長の裏でずっとステージのMCが聞こえるのだけれど映画館なら聞き取れそう。
10年前の映画ということで、今だったらもう少しこう出来るということも映画館で見ると気になってしまったりはしたのだけれど、出し惜しみせず出来ることはやり切っていたのは好感が持てる我ながら。
何より一緒に見ていた女の子たちが映画が終わると同時に、感想を話し始めていたのが嬉しかった。 -
さっっっむい【2024年12月12日】
本格的に寒さが増してきた感がある。
昨日の朝、買ってきたまま放ってあったアガパンサスの植え替えをしたのだが、もう寒くて園芸作業はちと及び腰になってきた。
アガパンサスは地植えにしようか鉢にしようか迷っているうちに時間が経ってしまった。
さすがに植え替えるなら早くしないとまずいということで荒い色付けのしてあって汚れても味になりそうな良い感じの素焼き鉢を発見したので買ってきて植え替えた。
ひと月ほどビニールポットのまま放ってあったので根が結構回ってしまっていて根鉢を崩して植えたのだけれど、アガパンサスは強いと聞くので無事に大きくなってくれると願いたい。
しかし、ここまで寒くなると暖かくなるまではあまり成長しなさそう。
もう少し早く植え替えるべきだった…。
うどんこ病にやられたチョコレートコスモスはじわじわ枯れ込んでちょっと復活は難しそうだ。
元々大きな株で鉢も大きめのものに飢えていたのだが、水切れが悪いのでダメ元で小さめのスリットポットに植え替えたのだが希望は薄い。
うどんこ病によく効く薬はあるのだけれど、薬を撒くのも結構手間がかかって難しいので、割と何にでも効くスプレータイプの薬しか使ってないから、余計に治らなかったのかもしれない。
肥料の上げすぎで調子が悪くなったのは明確なので、あんまり手をかけすぎるのも良くないというのは学んだ。
冬越しさせてみたい植物は幾つかあるのだけれど、全部を屋内に入れて管理するのは難しいので、軒下において残ってくれたらラッキーというつもりで諦めてるものもある。
霜が当たりそうな日だけでも何とか対処して越させてみたいのだが。
園芸店に行くとまだ割とたくさん花が売っているが、耐寒性があまり無いものも多く売っていて買ってもすぐ枯れそうなのでどうも手が出ない。
パンジー、ビオラは寒さに強いので大丈夫ののだけどあまり沢山買っても植える場所に悩む。
寄せ植えでも作るかなあ。
アネモネとか、見かけないけどラナンキュラスラックスとか寒さに強いものは植えてみたい。
エキナセア好きで苗も売っているのだけど、今は完全に地上部は枯れた状態の苗なので本当にこれあったかくなったら出て来るのか?と不安な気持ちになるのと、しばらくは見た目が何も面白く無いので買おうか迷ってしまう。
リーフ類は欲しいものがあるので、それでも買って気を紛らわすかな。
何にしても、しばらくは植物は成長しないので、面白みはあまりない。
あ、寒さに強い多肉はすごく元気だ。さて、金曜はアイカツ!のオールナイト上映+トークショーがバルト9である。
バンダイチームにいた人が出てくれるので、私も知らないような話が聞けるかもしれない。
その次の週はあかりジェネレーションのライブである。
それなりにどれも楽しくなると思う。
パソコントラブルで仕事の進捗は良く無いのだが、ちょっとした発見もあり怪我の功名のようだ。
今仕事をしているスタジオがデジタル環境を用意してくれたので、おかげで止まらずには済んでいる。
自宅のこれどうにかならんかな、と思っていたことが古いパソコンを外してケーブルの配置なども見直したら何とかなることに気づき、とにかくたまにいじってみるのは大事だなと反省した。
一度決めたら面倒臭くて見直したりしないタイプなので。
今年は体調が復調しつつの冬になりそうだ。
最近何らか調子を崩していたので珍しい。
来年というか今取り組んでいる作品は運が良ければ結構面白くなりそうなので、幸先はいいのかもしれない。 -
劇場版アイカツ!舞台挨拶【2024年12月02日】
どうもパソコンが突然逝ってしまったらしい。
なぜこの忙しいタイミングで…と思わずにはいられない。
季節の変わり目はパソコンも調子を崩しやすいということなのかもしれない。
調べた限りは限りなく望み薄な状態のようだ。
もうだいぶ使ったご老体だったので仕方無いといえばそうである。
電源は入るものの内部のハードディスクを認識できないらしく、中を覗くことも難しそうだ。
幸い仕事のデータはバックアップがあるし、他のデータも前日までのバックアップが生きていたので特に重大な損失は無さそうなのだが、憂鬱な気分である。
この文章はサブのラップトップで書いている。
いま、仕事は基本的に全てデジタル化してしまっているのでコンピューターがないと何もできない。
紙と鉛筆であれば調達は非常に容易なのだが、パソコンはどうしても新調するのに時間がかかる。
完全デジタル化も考えものか、と思ったりするが特に商業アニメはもっとデジタル化しないと効率が悪くて敵わんので後戻りはできない。
土曜日は劇場版アイカツ!の舞台挨拶があった。上映後と上映前の最近よくあるパターンで2回。
すぅちゃんと二人でというのは初めてのようだ。
すぅちゃんと会うのは久しぶりというわけでも無いのだけれど、いつもの笑顔を讃えて見せてくれてほっとする。
舞台挨拶での私の話は、結局どこかで話したことがあるような内容ではあったけど、すぅちゃんのトークが冴えていてお客さんは十分満足であっただろう。
10年の間にすぅちゃんのトーク力は随分と上がった。そりゃ、どれだけ沢山舞台挨拶やらイベントやらで喋ったか分からないくらいだろうから当然と言える。
場数だけではなく確実に大人になっていて、昔だったら照れて出てこなかっただろうな、と思うようなセリフもポンポン出てきて隣で聞いているのが大変面白かった。
ほとんどが、再見の人だったけれど中には初めて見るという人もいたのが驚き。
付き添いで来たのだろうかなどと推察していたのだが、新しい観客が来てくれるのは嬉しいことだ。
初日で結構動員が有ったようで数字を聞いて少し目が丸くなった。
長く愛される理由は何処にあるのでしょう、というような質問が舞台挨拶の中であったけれど、そりゃあ制作者には分からない。
もちろん推理はするけれど。
「作品」というのは作品と観客の間に立ち現れるというのが私の考えなので、どんな作品でも究極的にはその人それぞれの理由が作品と観客とを繋ぎ止めていると思っている。
大きく似たようなところが共通して響いているということはあると思うけど、それを探り当てただけでは良い作品は作れないのじゃなかろうか。
じゃあ、何処へめがけて作るんだよ、と言われれば一応ストライクゾーンのようなものは想定している。
ヒット、と呼ばれるようなものは作品そのものだけでは無くて周りの状況とも相まって作られるので作品がよく出来ているからヒットするというわけでは必ずしもない。
ただ、良い作品でなければ長い年月残っていかないのは間違いはなくて、商売と良い作品を両立させるというのが難しいところなのだと思う。
しばらく前に九州の大学生からアニメの音響についてのインタビューを受けたのだが、その研究の発表が行われるらしく発言内容の確認のメールが来ていた。
私の他にも結構すごい人が協力していた。
アニメの研究をしている人は最近増えていて、隔世の感がある。
発表が上手くいく事を祈ろう。
富野由悠季の「映像の原則」が再販しているのでパラパラと本屋で捲ってみたが、結構良い本だという気があらためてした。昔発売された当時読んで以来なので内容はあまり覚えていないのだけれど。
あとで買って参考にしよう。
幾つか「絵コンテで学ぶ演出」用の資料は当たりはつけてある。
放っておくと面倒くさくなるばかりなので、少しづつでも進めたい。 -
アイカツ!劇場版再映【2024年11月26日】
そういえば、劇場版アイカツ!が今週末から再上映される。
もう劇場版初上映から10年だそうで、早いものだなぁと感慨に耽ってしまう。
土曜日には池袋のグランドシネマサンシャインで諸星すみれちゃんと舞台挨拶がある。
劇場版は結構たくさんイベントをやっていろんなことを喋ったので何を話そうかと考えている。
運営からの質問アイデアはあるものの何か話してないような思い出があったかな…と。
10年で随分いろんなことを忘れているので(何を話したかも忘れつつある)繰言のようなつまらない話にならないようにしたいものだが。
すみれちゃんが一緒にいるので、殆どの人は彼女を見るだけでも来た価値はあろうと思うのが救いである。
アイカツ!は定期的に昔を思い出す機会が訪れるので比較的に思い出せることは多いと思う。
当時、プロモーションで結構駆り出されて色んな事をさせられた記憶がある。
今も監督はプロモーションに寄与出来ているのだろうか…と甚だ疑問なことはあるのだが、体験としては面白かった。
今思えば、最初の頃は舞台挨拶も緊張していた。
初めての舞台挨拶は豊洲の劇場だったように思うが、控室では全く緊張を感じていなかったのだけれど、客前に出て急激に緊張したのを覚えている。
そりゃあ、結構大きなスクリーンだったし新人監督としては仕方ないだろう。
笑いの一つも取ってやろうと思っていたのだが、ジョニー役の保村さんがクルリと回って(控室では絶対パフォーマンスはやらないとか言っていた気がするが)華麗に笑いを取ったのを横目に見て感心するばかりだった。
大阪でも舞台挨拶とテレビ用のショートのインタビューとか。
告知を噛まずに言うのがいかに難しいか思い知った思い出がある。
コメンタリーなどのトークショーも凄くたくさんやった気がする。
殆ど私が司会進行のような形で90分のコメンタリー上映をやった時は流石に少し喋りが上手くなったような気分になれた。(大したこたぁないのだが)
何かの(アフレコだったか?)イベント終わりで予定していなかったスタッフが沢山参加してくれて助かった。
ただ喋るだけでも90分は非常に喉が疲れて大変なのだ。
そもそも、喋る内容などをある程度は考えておけば少しは上手く話せるのに、打ち上げの挨拶などですらその場の思いつきで喋ってしまう。
最近は良くも悪くも場慣れして緊張することもあまり無くなって上手くはないがリラックスして話せるので(トチっても気にしない)聞いてる方も楽しく聞いてもらえてると思っている。
一人でカメラに向かって話すようなコメント撮り的なものはいまだに苦手で、客前で話す方が気楽だ。
確か、バルト9でやった舞台挨拶の後、近くの交差点でファンの男の子が待っていてサインを求められた。
サインなど求められたことが無かったので普通に名前を書いただけだった。
アイカツ!に勇気づけられました、ありがとうございました的な事を言ってくれたのだが、ありがとうはこちらのセリフである。
この仕事をしていて、まさか誰かに感謝の言葉を貰う時が来ようなどとは思いもしていなかった。
子供向けであるし、素朴に面白ければ良いというつもりで作っていた作品なので、自分の想像を超えた反応に戸惑いというか申し訳ないような気分になったこともあるのだが、(何度も書いた気がするが)貴重なありがたい経験をさせてもらった。
劇場版は自分で絵コンテを描いているわけでもないし、演出もやっていないし、本当に周りのいろんな人の力で出来た作品だった。
自分の仕事のほとんどは、加藤さんとの脚本作りの中に集約されている。
当時の自分に出来ることや思いは全て投じて作った作品ではあるので、それが今だに多少なりとも人の心に残っているというのは嬉しい限りである。
久しぶりの劇場での上映なので、お時間のある方は是非見てほしい。
会える方は、土曜日に劇場で会いましょう。 -
ペットロス【2024年11月18日】
猫との別れは何度経験しても慣れないもので…。
具合が悪そうだな、と気付いてからあっという間に逝ってしまった。
4ヶ月ほど前の検査では、まずまずだったのだが、先週末ご飯を食べなくなって病院へ連れて行ったのだが。
膀胱の脇に腫瘍が出来ていたらしく、それが静脈を圧迫して歩行も難しくなっていた。
歩きづらそうだな、と思っていたが猫は痛みを我慢するので、そこまでクリティカルな原因があるとも思わずにいた。
腎臓の数値も悪くなっていて、しかしまだ何とかという所だったようなのだが腫瘍との相乗効果か急速に体調は悪化したようだ。
ここ最近の急な寒さで激変したのかもしれない。
まあまあ歳だったので仕方ないないと思うのだが、もう少し上手く対処してやれば楽に逝けたのかななどと詮無いことを考える。
しかし言葉の通じない猫の変化を素人が察知するというのは、なかなか難しい。経験を積めば重要な変化に気づけると思うのだけれど。
人間というか、自分自身のことですらままならないのだから。
ペット界隈の医療は二極化しているそうで、街のホームドクターと大学など専門機関。高度な医療を施すところは、とても高い医療費を取るらしい。
専門の機関だと検査で20〜30万、手術で40〜50万、合わせて100万くらいしてしまうとか。
確かに、前の猫で検査してもらった時は結構取られた記憶がある。
老齢の犬猫に高い手術をしたとて、そう長く寿命が伸びるわけでも無い事が殆どだろう。苦痛は取り除いてやりたいが、さすがに何処まで手をかけるか悩ましい。
もうしばらくはペットロスから抜けられなさそうだ。もう11月も半ばを過ぎてしまった。
来年は頭からバタバタしそうだし、なんだか余裕がない。
とある原作者の人に、コンテの絵が綺麗で驚いた、というようなことを言われた。漫画のネームのようなものかと思っていたと。
まあ確かに漫画のネームよりはアニメの絵コンテは詳しく絵が描かれている事が多いかもしれない。
これは良し悪しがあって、そもそも絵コンテだって漫画のネームのようなかなりラフな絵でも問題がないはずだ。
ラフな絵ですめば、そちらの方が圧倒的に早く描ける。
漫画と違ってアニメは大勢の人間が関わるので下書きも他人が分かる絵である必要性が少し高い。
しかし、必要な情報が分かればそれほど丁寧に描く必要もないわけで、現状の絵コンテの几帳面さはアフレコが絵コンテを撮影した映像で行われるという場合があることへの対処という側面が強いように思う。
もちろん他にも(絵的に)詳細な絵コンテが描かれる理由はあるのだが、スピード重視で描かれる事があまりないのは、殆ど上記の理由ではないだろうか。
世の中には凄い人がいて頼んで10日もあれば詳細な絵が入った絵コンテが上がってくることもある。
しかし、それは稀で普通の人だと一本の絵コンテを上げるのに3週間から6週間くらいが平均だろう。(もちろん他の仕事もしながらのスケジュールなのだが)
ただ、ラフだけだったら2日3日で出来てしまうという人は少なくないのではなかろうか。
ラフだけ演出家が描いて、清書をアニメーターに任せるようなやり方も有りそうだが実際は殆ど例がないと思う。
絵コンテについては、もう少し効率的な方法が色々な形で模索できそうなのだが、なかなかそうはなっていない。
絵が綺麗だと褒められるのは嬉しいのだが、問題の多い工程でもある。泣きつかれて急ぎの絵コンテをこなしたりアイカツ!のイベント用の仕事があったりと10月末から忙しくてしんどいが、あと半年くらいはこんなこんな感じなのかもしれない。
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10th再上映【2024年03月22日】
昨日でアイカツ!10thSTORYの再上映も終わり観てくれた方には深く感謝。
ゆるゆるとアイカツ!界隈は何か続いていきそうなので、のんびり待っていただきたい。
わざわざ、コンタクトフォームからファンレターをくれたお嬢さん(JKと書いてあったのでお嬢さんであろう)、ありがとう。
10年もたった作品に対して愛情を示して貰えるのは制作者冥利に尽きるというものだ。
あの映画については前に色々書いてしまったので、もうとくに言うこともない。
繋がった映画の形態で見られるのは映画館か配信なので、たまに映画館でやってくれると良いのだが。
つい先日、ジャネット・ジャクソンとTLCが共演するという神ライブをやっていたが、知り合いのオールドファンたちは大満足だったようだ。
若い頃に見たもの聞いたものは、やはり強烈に体の中に残っていて、いつまで経っても力を与えてくれる。
不思議だなとも思うけど、創作の仕事に関わってるような人も子供の頃や若い頃に得た初期衝動の勢いだけで歳をとっても動いてることは多いと思う。
アイカツ!も初期衝動についての物語だ。
アイカツ!に限らず沢山の作品で繰り返されている永遠不変のテーマだと思う。
私もいまだに子供の頃の初期衝動だけが力の源泉だけれど、職業選択は半分偶然で続けられているのも半分偶然だし、他の選択をしていたとしても何らか若い頃の経験が初期衝動として機能していたんだろう。
良くも悪くも若い頃のかけられた呪文は強力で、そこから逃れるのは容易ではない。
解いてしまった方が良い呪文も沢山あって、それにはプリンセスのキスのような強烈な体験が必要だとは思う。
そうでなければ解けないか、解くまでにえらく時間がかかることはあると思う。
老いると、いろんな魔法がその効力を失っていく。
そうして気づくことも沢山あって、それは楽しいことだ。
自分には出来ないと思っていたことが出来るようになってしまったりすることもある。
解けてしまわないでほしい魔法は、自分で望まなければそうそう解けないものだ。
魔法、呪文は良い面も悪い面も持っていることが常だろう。
ある時期までは自分を守ってくれていたものが、気づいたら唯の重荷になっているということもある。
芸術(高尚な意味ではなく広い意味での)作品もそれが見た人に何らかの力を与えているうちは良いが、何かの足枷や頸木になってしまうことはある。
だから私は、ひとしきり楽しんだら忘れてしまった方が良いと思う。
必要になったら体の中に刻まれた何かが思い出させてくれるんじゃなかろうか。
体の中で昇華されて残っているものが重要だ。
時を経て作品を見返すと新たな発見をすることが多い。
しかしかつてのような魔法は立ち現れず色褪せて見えることがほとんどだ。
それでもかつて魔法の呪文をかけてくれた作品は何か輝きを残している。かつては見えなかった魅力が立ち現れてくることも尋常にある。
I can cast a spell of secrets you can tell
というI’m Every Womanの歌詞のようでありたいと一人の演出家としては思う。
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今日でほんとにラスト
1月20日から上映されてきたアイカツ!の映画も今日で上映がラストだそうで、たくさんの人に見ていただいてありがたい限りです。
10周年のお祝い楽しかった。
10年前のことって、結構忘れかけている。なかなかもう振り返る機会もないので私が関わった当時の特に立ち上げの頃の事を思い出してみよう。
といっても、ほとんどはどこかで記事になってる様な事だと思うけど。
怒られたら消すかも(笑)
アイカツ!話が私のところへ来たのは、別な作品「夏色キセキ」の作業をしている途中だった。多分2012の年明けとか結構ギリギリなタイミングだった様に思う。夏色キセキが春番だったので後半戦を作っている頃だったのでは無いだろうか。
サンライズ(当時)との付き合いも、それまで全くなかったので私に任せるの不安じゃないの?と思ったが夏色キセキも一応アイドルネタだったし向いてると思ってくれたのかな?
夏色キセキといえば寿美菜子嬢とは、その時に初めてまともに話した様に思うし芝居が非常に印象に残った。私にとっては、とても大事な役者さんとの出会いだった。
シナリオ会議が始まったのは3月か4月、途中色々あって止まったりもしていたので作業は非常に遅れていた。
夏色キセキに入っていた京極尚彦くんの監督作(ラブライブ)が動いているのを知っていたので、いつ放映?と彼に聞いてアイカツ!より先に動いてたのに放映は後だったのを羨ましく思ったのを覚えている。(アイカツ!は10月、ラブライブは翌年1月)
私と加藤陽一は初めて組む、しかもお互いそれほど上(監督・シリーズ構成)に立った経験が無い状態だったので初めはかなり手探りだったと思う。
サンライズPの若鍋さん1年目の制作チームのテレコムのP、テレビ東京の奈良さん、バンダイチームの人たちみたいな偉い人が沢山いて私がそれまで見てきた中では割と大所帯の会議だったので、色々言われたら嫌だなあ…などと思っていたがバンダイさんから難しい注文をされることは殆どなく、むしろシナリオで出てきた面白いアイデアをとにかくゲームにも反映させるぞ(時間もないのに)みたいなノリノリの雰囲気だったのでやりやすかった。
もちろん大変なことも沢山合ったのだが…まあ今となっては笑える。
とにかく止まったら落ちる(放映が)みたいな状況だったのであらゆる事が全力疾走だった。
そして結局、3年半終わるまで走りっぱなしだった。
もう今は無理だ(笑)
ゲームチームの方もアニメと状況は変わらず、待ったなし。
ドレスデザイン、カードデザイン、音楽制作、ゲームも制作は大変。
しかしアニメとゲームの進行がほとんど追っかけっこしていたおかげで、シナリオとのシンクロ率は高められたと思う。
フェブリスメーターと私が勝手に名前をつけた勝敗のポイントを表すバーが表示されるメーターやアバターのラフデザインは私が作ったのだが、時間がないけどアニメとゲームでデザインを合わせたいと言われてデザイナーもいなかったので私が起こした様に記憶している。ゲームチームはなるべくアニメのアイデアを拾おうとしてくれていたし、アニメの方でもなるべくゲームの面白い要素がフォローできる様にしてくれていた。
お互いに時間がない中でアイデアを投げ合っていたので全部とはいかなかったが、まあ良くやっていたと思う。
並走する彼らと顔を見合わせ、お互い大変だねと笑って話していた。
役者さんのオーディションと歌い手さんの選定はほぼ同時進行で動いていた様に思う。
今考えると少し時期をズラしても良かったのでは?と思うけど、春くらい?の段階で初期メインキャラ8人
全員の役者と歌い手を一気に決めた。
確か3DSのゲームで全員の声を入れたいからみたいな理由だったかもしれない(かなりうろ覚え)
いや、ミシェルとかも決めたからキャラの役者は10人近く一気に決めた気がする。
こんなに一気に決めることもなかなか無いのでは無いだろうか。
キャストの選考を決める日は私の誕生日(6月10日)だった様に記憶しているので、オーディションはその少し前にやったのではなかろうか。決めてすぐゲームボイスの収録が始まった様に思う。
当時アイカツ!あるあるであったのだが、ゲームの開発が先行しているのでシナリオにも出てきていないキャラの声をゲームに収録しなければいけない事がしばしばあった。
なのでゲーム音声の収録には私も殆ど立ち会っていた。ゲームボイスのセリフの監修も私と加藤氏が目を通していたのでなかなかハードだった。
しかし、ユリカは確か後でセリフを少々修正してボイスを録り直している筈である。
シナリオが出来てなかったので当時は吸血鬼キャラという設定がなかったのだ。(沼倉さんすいませんでした)
最初のゲームボイスの収録の時は他のキャラも大体こんな感じで見たいなざっくりしたイメージで作ってもらったと思う。
テレビのアフレコが始まったのは、多分8月くらいとかからじゃなかろうか。(だいぶうろ覚え)
音楽周りの初期は曲の発注などは私も参加したと思うが歌の収録などは水島氏と音楽チームにほとんど任せきりだった。キャラに関しては簡単なメモを書いて歌い手さんたちに渡していた程度。
アフレコもしていないので歌い手の皆んなはかなり手探りだったに違いない。
ロゴの制作などもシナリオと同時並行で進めていた。
最初はコンペでは無く幾つか案が有ったのだが、思うところがあり無理を言って知り合いのデザイナーさんに声をかけコンペにして貰った。
その中で採用されたのが内古閑さんのデザイン。
私はコンペで上がってきた候補の中からプロデューサーたちが、ある程度選別したものをどれが誰のデザインということは聞かずに決めた。
パッ見た時は誰のデザインか判らなかったけどコンセプトの昇華の仕方がとても素晴らしくシンプルにゲームの内容や作品の楽しげな雰囲気を表現してくれていたので選んだところ、内古閑さんのデザインと聞いて流石だなーと思ったのを覚えている。
キャラクターの設定も一応コンペだったのだが、人が見つからず…というのと水島氏の紹介してくれた、やぐちひろこ嬢が圧倒的に良かったのですんなり決まった。
アニメのデザイナーも当然一人では全部こなせないので、夏色キセキでメキメキと頭角を現した当時は新人原画マンだった渡部里美ちゃんとダメもとで電話したら引き受けてくれた石川佳代子嬢が参加してくれることになる。
石川さんと私、内古閑さんも初めて顔を合わせたのはガイナックスで水島氏が監督で制作した「はなまる幼稚園」という作品だった。
里美ちゃんは初期キャラクターの衣装替えのほとんど、石川さんはメイン以外の学園生徒やアイカツフォンなどプロップと呼ばれる小道具、宝石箱の様なフィッティングルームも考えてくれた。
サンライズ側にいた最初期のメインスタッフは、木村、やぐち、石川、渡部。後は設定制作をやっていた今ではプリキュアのプロデューサーである田中昂くらいであった。
メインで制作を請け負ってくれたのはテレコムアニメーションフィルムという、あの宮崎駿も在籍していた老舗スタジオである。
テレコムのスタッフだったのが、その後長くアイカツシリーズに関わることになる色彩設計の大塚眞純嬢。当時ほぼ初めての設計業務だったと思う。
そして美術監督の大貫雄司、撮影監督の宮川淳子嬢。編集の笠原義宏さんなど。
他にも沢山絵コンテを描いてくれた矢野雄一郎さん、沢山演出をやってくれた小山田桂子さんなどがテレコムのスタッフだった。
キャラクターにしても美術にしてもアイカツ!は設定の量が多かった様に思う…すいません。
毎話ごとに違う場所出てきたり変装やらドラマで衣装を変えたり。
設定に関わるの渡部さん、石川さん、大塚さん、大貫くんはとても大変だったろうと思う。
設定というのはシナリオがある程度完成しないと作り始められないのでシナリオが遅れていたアイカツ!は設定もギリギリで追いかけっこをしていた。
設定の発注はメインキャラクターは基本的に原案があったので原案に沿って発注。
色も頭部はゲームチームの作った原案に沿っていた。
原案と言えばエンディングにもクレジットされている川村歩さんが主にキャラクターのデザインをまとめていらっしゃったのだと思う。他の人のアイデアも当然入っていたと思うが主には川村さんがまとめていたと聞いていた。
立ち上げは時間がなかったこともありゲームチーム側で先行してデザイン案が描かれていたのだと思う。私が入った頃にはキャラのデザイン案はメイン8人全て存在していた。髪型は子供への調査なども受けて変更があったキャラがいたと思う。ユリカとか。
サブキャラはオリジナル、服装も制服以外はオリジナルなので自由に制作していた。
服装は私は極力意見を言わない様にしていた。渡部さんにしても石川さんにしても服は好きな人だったので、おじさんが余計な口出しはなるべくしない様に気をつけていた。
シナリオに関わる説明などがあれば伝えるくらい。
色に関しても同様で相談されれば応えるが、女の子のセンスが必要なものに関しては基本的にはお任せで通したいと思っていた。ていうか今だにそう。おじさんが口出しても碌なことがない。
基本的には私はまとめ役に徹して、女性の意見が反映される様にしていたつもり。
立ち上げの頃アイカツ!に関わっていた女性スタッフや役者さんに子供の頃見て印象に残っている女のむけアニメはあるか良く聞いていたが、ほとんどの人が佐藤順一さんの作品を上げていた。セーラームーン、おジャ魔女、ふたご姫…など。
私は一番最初のセーラームーンのノリが好きだったので、あの雰囲気を再現できないだろうかと目論んでいた。
美術もセーラームーンや小林プロダクションが女の子向けの作品で作っていた様な雰囲気を意識していた。美術監督の大貫くんは、私が参加していた「はなまる幼稚園」の雰囲気を参考にしたと話していた気がする。
美術デザインはちょっと西洋風というか少し洒落た和洋折衷のイメージでみたいなお願いをしていた様に思う。
スターライト学園のデザインは何かイメージの参考みたいなものを大貫くんが挙げてくれていた気はするが、覚えていない。なんでも弁当の辺りの街並みは横浜の元町辺りの洒落た雰囲気みたいなお願いをした気がする。
初期の頃は結構お仕事的にというか、あまりやる気なく参加してくるスタッフも少なくは無かった。あまりにスケジュールが悪かったので、それも当然と言えるのだが。そんな中、撮影監督の宮川さんにのやる気にはすごく励まされた。フェブリスアンテナ(この名称も作中では使わなかったかも…)という観客が頭につけるアンテナから出る星やシーンの変わり目に入るワイプは彼女が作ってくれた。ワイプは石川佳代子さんにタタキのアイデアを出して貰って宮川さんが起こしてくれた様に記憶している。
宮川さん、石川さんといえばカレンダーガールのレコードの回る速度はテレビ局の注文もあってかなり直しを重ねた。最初はかなり早く感じたので仕方なく数枚の絵を不採用にして決定された。
最近イベント上映の時に話したけどカレンダーガールのエンディングで回っているレコードを未来のいちごが止めて終わるというアイデアを私は考えていたのだが、絵コンテから丸々石川さんに頼むことになって、その時アイデアは不採用になった。この未来のいちごのアイデアがSTARWAYの映画に繋がっている。
CGはサムライピクチャーズさんがテレコムの紹介で担当してくれることになった。時間がないのに前向きに色々相談に乗ってくれたのを憶えている。
キャラのモデルは時間が無かったこともあり、あまり手が入れられないというような話だった気がするが結局色々あって修正されていったのはみなさんご存知かと思う。
カメラワークも最初はゲームで付けたものを軸にアレンジしていく様な方向性だったが、後にディレクターの北田さんの参加で大きく変わっていくことになる。
1話でのフィッティングルームで天井に光が映ったりするのは地味に部屋全体を3Dで組んで作って丸い天井への光の反射を作っている。
アイカツ!の頃は昼間は、ほとんど打ち合わせで夜にデスクワークだった。アニメの監督は皆んな大体あまり変わらないと思うけど絵コンテ描いたり直したりは夜中の作業になってしまうことが多い。
なので朝方とかに制作が私が描いたり直したコンテを回収にくるのだが、アイカツ!は人が少なかったこともあり、このままでは私も制作も疲弊してしまうと思い当時は出て間もなかったCLIP SUTUDIO PAINTで絵コンテの直しをやるという方法に1クール終わる頃には切り替えたんじゃないかと思う。
データでのやりとりで済むので、非常に楽になった。
1話は手描きのコンテで完成したのは6月の頭とかだった気がする。ヤバい……。
2話は矢野さんがコンテを描いてくれて以降、矢野さんのコンテには沢山助けられた。
矢野さんは宮崎駿の薫陶を受けた世代の方で姿はオジサンだが心は乙女の優しい方。絵は当然上手いが滅法手も早く2週間で1本くらいのペースで絵コンテを描かれていた様に思う。
私なぞ遅くて遅くて、結局1話のコンテを描いて以降、次にテレビのコンテを描いたのは177,178話になってしまう。
Signalize!のオープニングは夏色キセキの作画チームが担当してくれた。
あの時はCGが間に合わなくてダンスシーンも作画で作っている。原画は確か長田伸二。
いちごが着替えつつ色が変わるカットは渡部里美ちゃんが原画を描いて変わった色にして!みたいな注文で大塚さんに自由に色を決めて貰ったという記憶がある。
最初のいちごが振り向くあたりは岩崎茂希くんが担当、ジョニーのあたりは盟友の安彦英二が描いてくれた気がする。
作曲のNARASAKIさんは「はなまる幼稚園」でご一緒していて水島氏が繋いでくれて快く引き受けていただいたという流れだったと思う。
音楽といえばMONACAチーム。
私が入った時すでに何曲かはゲーム用のデモが存在していた。
ゲームに最小された順はアニメの方との兼ね合いやらラインナップのバランスやらで最初にできた順から搭載されていたわけではない。
劇伴の打ち合わせは帆足くんと石濱くんの二人で来てくれた気がする。石濱くんは大変なシャイボーイで当時はあまり話してくれなかった様に思う。沢山話す様になったのは劇場版アイカツの後あたりかなぁ。帆足くんはいつも気さく。絵コンテを簡単に編集してフィッティングシーンのガイドを作って帆足くんに曲を作って貰った様に記憶している。
音響監督の菊田さんは、やはり夏色キセキからの流れで他の候補もいたと思うが私の希望や現場のテレコムさんも懇意だったこともあり決まったように思う。
菊田さんはラブ&ベリーのゲームの収録も担当していたそうだ。
アイカツ!のキャストには新人も多かったため当時は私はよく分かってなかったが個別指導をしてくれていたり丁寧に面倒を見て貰って、私自身も沢山勉強させて貰った。
1話に色がついて完成した時、菊田さんが皆んなで見ようと言ってアフレコブースで映像を流して見た気がする。アフレコの時はいつもコンテ撮といって絵コンテを撮影して芝居が何となくわかる様な状態でしか収録できていなかったので完成形を共有するのは必要があるということだったと思う。
うーーん、新人さんが多い現場で、あの状態のアフレコは本当に申し訳なかったなと今更ながらに反省。といっても当時はどうしようもなかったのだが…。
1話も確かコンテ撮でアフレコしていると思う。
さてさて、長くなってしまった。何とか1話が出来上がって、その後3年半アイカツ!は続く事になるのだが途中に映画も作ったりで、ずっと全力で走っている様な状態で当時は振り返る余裕もなかったし止まったら死ぬみたいな勢いで、ヒットしている状況も考えると怖くなってしまうから途中からはあまり気にしない様にしていた。
とにかくドタバタと始まって、放映できたのが奇跡くらいの状態だったので、その後、形を変えて10年もプロジェクトが続くとは、流石に思いもよらなかった。
2年は続く様にしたいなあ、というのが密かな目標であったが、それも1年やって続く様なら若い人にバトンタッチしようくらいの心持ちだった。私みたいなオジサンがやるよりは若い人の方が適任だとずっと思っていた。1年、また1年と伸びて3年半。今考えればそう長い期間でもない気もするものの、当時は倒れずに走り続けるので精一杯という思いもあった。でも、なんやかんやとこうして長く関わらせて貰えたの事には感謝している。
特に今回の映画は手がけられて良かった。
最後にもう一度、見ていただいて本当にありがとう。
また気が向いたら昔話を書くかもしれない。
取り留めない話にお付き合いいただき感謝。
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やっと2022年が収まってきたかなぁ
年明けから始まったアイカツ!10th STORYの上映も終盤戦に差し掛かっている。
沢山の方が観てくれて感謝しかない。
なかでも子供の頃に見てくれていた女の子たちが見にきてくれたのは非常に嬉しい。
高校生や大学生になった当時の視聴者に響く様な作品にしようという主旨で作られた作品なので、まさに見てほしい人が見てくれたということだ。
昔のスタッフが見てくれて感想を直接くれたりSNSに書き込んでくれたのもありがたかった。
ずっと準備をしてきたスタッフの苦労も報われたんじゃないかと思う。
ミュージックフェスタも最後は滑り込みで声出し可能になってファンの皆んなも喜んでくれたいた様だし、我々も楽しかった。
やはりファンの笑顔は我々の苦労を存分に癒してくれる。
10年越しの新作で後日談を描くというのは、見たくないという人もいたのではなかろうか。
何を描くか、ということについては殆ど私と加藤さんに任されたのであるが、私の方では具体的なアイデアはなく、ただ当時7〜9歳だったアイカツ!の視聴者として想定されていた、そして視聴率などみるに実際に見ていてくれていたであろう女の子たちの背中を押せる様な作品にしようという事だけは皆一致していた。
かくして、インタビューやら舞台挨拶やらで話した様に卒業と大人になるということがテーマになった。
後日談の中身はともかく当時見ていた若い人たちに響いてくれるといいなということだけ考えていた。
響くも何も、当時の子供たちが見にきてくれるのかな?という心配もあったが、それも十分に裏切られた。
私は大人について偉そうに語れる様な人間ではないけど、大人になるのは大変だが楽しい事だと思う。概ねは。
鍋をつついて酒を飲むのもまた大人ならではの楽しみ…酒なんか飲めなくても楽しいことは色々あるね。
これが大人なのである、などという形はないのだし、それを良くも悪くも自分で決められるのが大人になるということなのだから。
とにかく大人になるのも悪くないね、と若い人たちが思ってくれたら嬉しい。
歳をとるのも良いもんです。
そして繰り返しになるけど、私が思っていたよりずっと沢山の方に映画を観て貰えて本当に嬉しい。
去年はテレビシリーズ2本にアイカツ!の映画が動いていたため、べらぼうに忙しかった。
年が明けても舞台挨拶だとか映画にまつわるイベントと小さな仕事なんかで、なかなか落ち着かなかったがやっと一息つけそう。
つい先日は同期の演出家の作品の仕事を終わらせた。何とは言えないけど、制作は発表になってる作品だからしばらくしたら観られるのかな?いや、最近は放送まで時間がかかるので、まだ結構先なのかも。
まあ、今年は誰かの手伝いでのんびりと過ごすことになりそう。
作品を作っていると色んな方のお世話になるのだが、なかなか恩返しの機会もないので返せる時には返したい。
しかしタイミングがなかなか合わず、最近は不義理ばかり。
借りたら返すがアニメ業界の仕事人の渡世というものだったのだが、借りるも返すも難しい時代になってしまった。
借りずに済めば良いのだが借りたくても借りられぬ人手不足。
発表されてなくても水面下で動いてる作品が沢山あるので、さもありなん。
さて、今年私はは人に手を貸せそうな気はするものの、なるべく楽しい作品に手を貸したい。
仕事との出会いは偶然なので、面白そうな仕事に出会えることを祈るばかりだ。
のんびり温泉に浸かったり、本読んだり、映画見たり、音楽聴いたり、やりたいことは色々あるので仕事はほどほどに…てな訳にはなかなかいかないか。
大人は大変……あら?