アニメイションネイチャー、映画理論集成【2026年04月19日】

山村浩二「アニメーションネイチャー」を読み終わった。

作品はそれほど見ていない。頭山、年をとった鰐、は見たはず。

誰もが認める巨匠でありつつ、教育者でもある氏の芸大での講義を元にしたアニメーション論で作品の引用も多々あり、インディペンデント系のアニメーションのガイドブックとして読んでも面白い。

新人教育の参考になるかと思って読み始めたのだが、多様なアニメーションのスタイルを扱っているので、どう昇華するかはむずかしいかも。

自分のやっている仕事がアニメーションの中でも非常に狭い領域だというのは良くわかる。

しかし、一時期の商業アニメとインディペンデント・アート系のアニメーションの溝は最近少し狭まった様にも思う。

OP/EDの様な部分にインディペンデントな作家が起用されたり、本編内にも違う様式のアニメを入れ込む例が増えてきている気がする。

80年代あたりまでは意外と曖昧で両業界の親交もあった様なイメージだったが、90年代以降は、ほぼくっきりと別れていたのではなかろうか。

モルカーの見里さんの活躍などもあるし、再び入り混じり始めたのはとても面白いと思う。


TAAFの長編作品の審査員をした時、海外の人形アニメ作家の人が人形アニメ作品を強く推していたのが印象深かった。
良い作品だったのだが、他の映画祭でも賞を色々とっていて、これ以上推す必要があるのかというような議論をしたのだが、人形アニメはやはり報われていない、という意識をその作家は持っていた様な気がする。

もっと境界なく仕事の交流もあった方が、金銭的にもインディペンデントな作家に資するんじゃなかろうか。

その作家は、これから5年くらいかけて制作する短編アニメーションのシリーズを作るという様なことを言っていて気が遠くなった。
制作スケジュールの違いも商業アニメとの交流の敷居になっているととは思う。

本に戻るとメタモルフォーゼ、パースペクティブなど章立てで抽出しているテーマが面白い。結構たくさんの要素を抜き出して考えられていて、なるほどこんな風にアニメーションの要素が分解できるのかという気づきがある。

ナラティブの章は、さすがに自分でも考えたことがある様な内容で我々ほどストーリーに重きを置いていないのが印象的。

ともあれ、商業アニメのクリエイターもインディペンドなアニメはもっと見た方が刺激になると思う。

ネットで無料で見られるものも少なくないのが、今の時代の良いところ。

マクラレンの作品なんかNFBの公式YouTubeでほとんど見られるんじゃないか?

いい時代だ。

探していた映画理論集成の古本を手に入れた。

絶版で殆どどこでもプレミアがついているのだが、Amazonで超お安い値段で出ていた。

図書館の除籍本だから安かったのだろうか?

貸出の履歴を見ると3回くらいしか借りられていない様で、最後に貸し出されたのは99年4月26日。
約27年前だと思うと感慨深い。
四半世紀ぶりくらいに読まれるというわけだ。

読みたかったミュンスターバーグの訳が冒頭にあって、流石に全訳ではなく2章ほどの抜き出しだった。
しかし、方向性が知れたので満足。
ストレートに認知科学的な分析で、映画がどう観客に受容されるのか、空間の知覚などについて論じられていた。

今の認知科学の知見でどこまで正しいのかわからないが、こういうのが読みたかったという内容で参考になる。

認知科学で映画をまとまった形で分析した日本語で読める本は皆無なので、断片を集めて少しまとめられるといいのだが。

まだパラパラめくっただけなので落ち着いたら読みたい。

エアコンが壊れていたことが判明したので買い替え、今日工事も終わった。

猫たちは4時間くらいロフトに退避、かなり大きな音もするので年寄り猫には酷だった。

夏は快適に過ごせると思うので許していただきたい。