演出講座が進むたびに課題が見えてくる。
自分が普段日常的にやっていることを教える課題として意識し直すには、教えてみないと分からない。
今回作ったコンテ撮にセリフ入れてみた。
コンテ撮にボールドを打ってもらったのだが、ブレスの取り方も何も教えてなかったので息継ぎ多かったり少なかったり、カットいっぱいボールドが引いてあったり、と様々。
普段は皆んな制作をしているわけで比較的コンテ撮など線撮りの動画は見ていると思うのだが、実際やってみると出来ないわけで、やはり体験は大事。
カットのつながりでセリフのテンポを作ったり、流派はあると思うけど編集の「のりしろ」の考え方とか、教えないとまあ分からないよな。
教えるというのは知らないことを教えるというより、普段目にして知っていることをあらためて意識させるということで、手品の種明かしに似ていて知って仕舞えば「なるほど」とわかった気になるのだが実際やってみるとそこには感覚的なものも絡んでいて、簡単に出来なかったりはする。
セリフを取るのは演出の大きな仕事でとにかく量がある。
実際の仕事を教える時に、セリフの取り方を教えるところからかなと思い始めた。
・セリフの取り方
・レイアウトと幾つかの基本的なアニメーションの表現技法(PAN、フォローなど)
・歩き、走り
・上記、それぞれのタイムシートの付け方
撮まに書いてある技法くらいはさらいたい。
いまはどこからどこまで教えたらいいか、限られた時間の中で教えられるかも手探り。
ただ3ヶ月ほどやって教えたことは響いているのは間違いない。
本当にざっくりと演出の基本の「き」みたいな話には触ったが深掘りは全く出来ていないし、理論は観念的なこともあるので実際とすぐつながらない。
今後は具体と理論の両輪で進める。
1)絵コンテの方で理論と語りの実際。
2)演出(処理)の方で実際のアニメーションの技法や編集など映像表現の技法
と大まかに分けて教える。
やっているうちに、また方針の変更が必要になりそうだけど、とりあえずこれでしばらく進めてみる。
以下はメモ
【セリフの取り方】
1)読点、句点の扱い
句点「。」は間が必要。セリフによるが12コマ〜1秒以上、話題の転換や心情の変化、言い淀み、様々な理由はあれど間が生まれる箇所。
観客にセリフの意味を飲み込ませるための役割も担う。
読点「、」
文章中の小さな意味の変化・つながりを分かりやすく場所だが、息継ぎの間が必要な時といらない時がある。
書かれた文章で見ている時の読点は視覚的に意味をわかりやすくするために使われる時があるため、そういう使い方の「、」は声で読む時は無視できることも多い。
意味の変化、つながりを分かりやすくするため、あるいは心情的・身体的な理由(息が続かない)で切る必要がある場合に息継ぎが必要。
ボールドを作る場合「間」は6コマ以上でないと意味がない。
1秒間に24コマの映像の場合、日本語は3コマで一文字にあたると言われていて実際だいたい当てはまる。
なので3コマの間は視覚上は存在しないのと同義だ。
あくまで視覚上は。
2)カットごとのセリフのつながり
1人の人物が話していることがカットを跨ぐことはよくあるし、2人以上の会話がカットを跨ぐことも当然ある。
その場合、1カットごとにセリフの間を見ていても会話は作れない。
カットを超えて会話の間を考えないと成立しない。
3)声を当てた後
実際に声を当てた時に、演出家の考えたセリフの尺とずれていることは多い。
その場合、音響は尻合わせでセリフを置くことが多い。
線撮りなんかでボールドを打ってある場合、一人の人物の一連のセリフの一番最後に合わせてセリフが調整される。
私は頭合わせでカットの間を考えるのだが、今は色付きでアフレコすることもほとんどないので、気になったら後でダビング前の編集やダビングで調整する。
こんなことも教えなきゃね。
