いのまたむつみさんの名前を覚えたのはプラレス三四郎だろうか。
丸くて柔らかくて動かしても映えるデザインだった。
金田伊功的ラインと少女漫画的ディティールの共存。
動かしやすい、というのは最近のデザインでは最優先事項に上がることはあまりなくなったが当時はまだ当たり前の様に動かしやすさは意識されていたと思うし、立体優先ではないデザインの黄金時代の仕事の様に思う。
特に意識せずとも80年代アニメ界隈が好きなら、いのまたさんの絵は山ほど見ただろう。
三四郎、レダ、ウィンダリア、宇宙皇子の挿絵、あたりが私の中で印象に残っている仕事。
GBボンバーも持っていたと思うな。
今も、その影響はそこら中に残っているだろう。
80年代活躍していた頃はまだ20代だったわけだが、当時は20代で活躍しているクリエーターは沢山いた。
その中でも時代を象徴する絵描きの一人だったろう。
私が子供心に憧れたクリエーターたちは、お兄さん、お姉さんといっても差し支えのない年頃だったわけで、日本の勢いのある時代の象徴だったも言える。
そんなアイドルたちが少しづつ天に召されていくのは寂しいが、仕事は永遠にこの世に残る。