去年からの仕事は大体片付いて、突発の仕事もまあ落ち着き、TAAFの長編のコンペの審査が終わって目の前の仕事はほぼ終了。
TAAFこと東京アニメーションアワードフェスティバルは、何で私なんかが審査委員に選ばれたのだろうという気はするが、あまりイベント的な場所に呼ばれることもないのと海外の審査員と数日一緒に過ごしたのが新鮮で楽しくやれた。どうにも自分の英語力の無さにはがっかりしたのだが、通訳の方が基本的には同行していたのでコミュニケーションは、それほど不自由しなかった。
それにしても、コンペに来ていた海外の審査員や作家は(私から見ると)流暢に英語を話す人が多い。母国は違っても英語でコミュニケーションしていて感心。
作品は長編は4本ノミネートされていて、さすがにどれもそれなりのクオリティだったが、個人的にはティティナという2Dの作品が一番気に入った。北極が舞台になったいるのが、以前TAAFで賞を取ったノース・ウェイ・ロングと同じなのだが、それは監督の話を聞くとただの偶然みたいだ。ノルウェーでも探検家アムンゼンとイタリアの飛行船技師ノビレの逸話はあまり知られていないらしく、面白いと思ったので取り上げたというようなことらしい。
基本的には実話に基づいていて、当時撮影された記録映像も交えて作られている。
ミュージカル的な表現も交えて非常に楽しく見られる様になっている。特に前半は。後半の展開もどこまで史実に忠実なのか分からないが非常に劇的。戦争の足音が近くに感じられる時代の話なので今見ると非常に考えさせられるものがあると思う。
グランプリを獲った「犬とイタリア人お断り(No Dogs or Italians Allowed)」も戦争の時代をモチーフにしていて、こちらも事実に基づいたストーリーで現代的なテーマを抱えていると言える。こちらは人形を使ったストップモーションアニメ。ユーモアが効いていてシリアスの話だが楽しく見られると思う。
審査は特に揉めるという感じでもなかったのだが、グランプリはあっさりと全員一致で決まり、もう一本が票が割れてなかなか決まらなかった。
クオリティーに決定的な差がないと、選ぶのはなかなか難しいもんだ。
結局、短編部門の作品は全然見られてないので、機会があったら見たい。
1、2月は立て込んでいたので、休んでいたJAniCAの配信も久しぶりに出来た。
「演出について」というお題で、新人演出に演出について説明する様な体で話した。分かりやすい解説という意味では、まだ大分改善の余地がありそう。話題の順番やら細かな例の使い方とか、参考資料とか。
参考資料は自分じゃ適当に色んなものの断片を繋げて使っているのだが、人に教える時は、具体的に参考になる資料を探しておく必要がある。でないと永遠に解説が終わらないし根拠ないことを話していると思われても困るので。
しかし、資料を当たるのは目星はあるものの結構時間がかかるので、少しづつやるしかない。
自分の仕事は、放映中の「もののがたり」は来週最終回、4月からは「おとなりに銀河」が始まる。
両作品とも制作は終わってるので、のんびり放映を見るだけ。
しばらくは映画見に行ったり、本読んだり好きなことに時間を割けそう。
事務的なこともこなさないといけないのではあるが………。