SNSを見ていたら、春を期に事務所を退所したという人が増えていた。
業界を辞める人もいるし、移籍するだけの人もいる。
かつて一緒に作品を作った仲間で業界を去る人に対しては、いつも少しだけ申し訳なさを感じる。
自分の作品にもう少し力があれば続けられていたのか、とか制作環境がもう少しマシだったら良かったのか…とか。
色んな事情があるので、それはこちらからは知り得ないし、一個人が力になれることなど少ないのだが。
私もいつ辞めても構わない、と思っていた。しかし他に出来る事もなくズルズルと続けてきたような質である。
我々の様な仕事が続くかどうかは半分くらい偶然なのかもしれない。
業界の労働環境を改善しようとみんな頑張っているが、労働環境の問題と仕事が続くかどうかは別の問題という面もある。
どんな仕事でも向き不向きはあるし、やってみて初めて向いてない事に気づくということもある。
気づいたら早めに方向転換できた方が良い。
環境が良ければ花開いたのかもしれない才能を持った人はたくさんみてきた様に思う。
しかし仕事の才能があっても、それが人生の幸せに直結しているわけでもない。
どういう選択が自分にとって良かったのか、人間には選択した後の人生しかわからないので知る由もないが、なるべく後悔がないと良いとは思う。
やらずに後悔するよりはやって後悔する方が後悔の度合いは少ない…ような気はする。
新しい道に幸あれと、若人の背中を見つめながら祈るばかりだ。